アキノ隊員の鱗翅体験

今月4日に私が家宅捜索を受けたことでやんばるの世界自然遺産候補地である北部訓練場返還地の米軍廃棄物問題を初めて知った方も多いと思います。

なので、かなりざっくりとですが米軍廃棄物問題の経緯を書いておきます。
※2021年6月19日追記　IUCNが米軍廃棄物についての情報を知っているのかどうかというご質問があったため、経緯内に緑字の部分を追加しました。

2016年12月22日　沖縄島北部にある米軍北部訓練場の過半の約4000㏊が日本に返還される。返還式典開催。政府は過去最大の返還面積で沖縄の負担軽減とアピール。日米地位協定第4条で、米軍は返還する基地の原状回復義務を免れており、また、跡地利用特措法で、返還後の基地は国が支障除去（廃棄物や土壌汚染の除去）を地権者への引き渡し前におこなうことになっているので、返還地を沖縄防衛局が管理し約3億円をかけて支障除去を開始。受注はいであ株式会社など。
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2017年2月　奄美・徳之島・やんばる・西表島を世界自然遺産に推薦。返還地は含んでいない。
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2017年12月25日　沖縄防衛局が、これまで日本側が立ち入ることのできなかった広大な土地の支障除去をたった1年で完了と発表し、返還地を地権者へ引き渡す。引き渡し式典開催。大部分の地権者が林野庁沖縄森林管理署。つまり国から国へと引き渡された。
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2017年12月27日　私が返還地で米軍廃棄物を発見。その後調査を続け、米軍廃棄物が大量に残されていることを確認。
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2018年1月半ば　　県警に返還地で見つけた米軍の未使用訓練用砲弾を確認してもらい、その後、地元2紙が返還地の米軍廃棄物残留を報道。訓練弾は米軍が回収。米軍が返還地の米軍廃棄物を自分らのものと認め回収したのはこの1度限り。
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2018年5月4日　奄美・徳之島・やんばる・西表島の世界自然遺産推薦に対しIUCNが延期勧告。推薦地に含まれていない返還地を含めて分断された推薦地を結び付けて十分な広さを確保することが求められた。
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2018年5月半ば　返還地の土壌からDDT類やBHC類が検出されたことが報道される。
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2018年6月29日　返還地の約9割をやんばる国立公園に編入。
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2019年2月　返還地を組み込んで奄美・徳之島・やんばる・西表島を世界自然遺産に再推薦。
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2019年3月　返還地内のドラム缶が埋まっていた場所からPCBが検出される。
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2019年10月　沖縄防衛局が約1億7千万円をかけて、返還地のライナープレート（ヘリパッド造成用大型鉄板）の撤去事業をおこなう。受注はいであ株式会社。
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2019年10月上旬　IUCNがやんばるの世界遺産候補地を視察。The Informed-Public ProjectとOkinawa Environmental Justice Projectが返還地の米軍廃棄物のデータを含む環境に関する問題点を指摘し環境省に提言を示した書簡をIUCNに提出。


詳細や大きい画像はコチラ。
https://ipp.okinawa/2019/10/06/ngo-letter-to-iucn-with-oejp/
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2019年10月半ば　これまで返還地で見つけた未使用や不発の弾薬類を県警に通報すると回収してもらえたが、このときから回収しなくなり、不発弾が現場に残されることになる。
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2020年3月末　鉄板撤去が完了せず、契約金を約8千万円を増額して事業を半年間延長。
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2020年9月末　鉄板撤去が完了せず、増額なしで延長。その後、履行期限内に完了。
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2020年10月半ば　私が米軍廃棄物を北部訓練場へ持っていき直接捨て主に返す運動を開始。
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2020年10月25日　返還地で放射性物質コバルト60使用電子管を発見。現在も現場に残っている。
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2021年1月　未使用の銃弾実弾1発を発見。北部訓練場では実弾演習はおこなわれていないことになっている。地元の新聞が報道後、県警から私に実弾がどこにあるか確認の電話があったが回収の話はなかった。現在も現場に残っている。
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2021年5月10日　IUCNが返還地を含む世界自然遺産候補地に対し登録を勧告する。
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2021年6月4日　IUCNの評価原文が公開。原文には、米軍廃棄物や米軍機の飛行に関する記述はなかった。私はこの日に家宅捜索され、評価原文をすぐに見ることや原文の内容に対する指摘を発信することができなかった。
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2021年6月11日　IUCNの評価原文に米軍廃棄物に関する記述がないことを私がインターネットで発信。
https://akinotaiinnorinshitaiken.ti-da.net/e11951414.html
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2021年6月12日　IUCNの評価原文に米軍廃棄物に関する記述がないことを沖縄タイムスが私のコメントとともに報道。