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2017年07月16日

琉球新報にノグチゲラの生息域変化についてのコメントが掲載されました。(2017年7月15日)

2017年7月15日の琉球新報に、ノグチゲラの生息域の変化の可能性についてのワタシ(宮城秋乃)のコメントが掲載されました。
琉球新報にノグチゲラの生息域変化についてのコメントが掲載されました。(2017年7月15日)



琉球新報電子版はコチラ。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-535189.html

ヤフーニュース(ネトウヨのコメント付き)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170715-00000007-ryu-oki

ワタシの言いたかったことをわかりやすくまとめます。
「ノグチゲラは餌を採るために広い縄張りを必要とします。餌となる昆虫等が減ると、これまでと同じ量をを得るために縄張りをこれまでよりも広く張るかもしれません。また、毎年誕生するひなは独り立ちすると、親の縄張りから離れ新たな縄張りを作ります。やんばるの森の広さは限られています。米軍ヘリパッド建設地に生息していたノグチゲラは他で縄張りを張らなくてはいけなくなりました。米軍機の騒音や爆風、高温の下降気流(オスプレイ)、低周波(オスプレイ)で環境が悪化した場所には住めなくなるかもしれず、そうなるとその場所を避けて縄張りを張ることになります。米軍ヘリパッド建設により餌は確実に減りました。これまで生息していなかった、生息に最適とは言えない地域にまで分布を広げなければ適切な個体群密度を保てなくなります。(有銘ではまだ採餌や営巣は確認されていませんが、縄張りを張る場所を探していたのかもしれません。)なので現段階で、その可能性を考えたほうがいいでしょう。」
※()内は記者には伝え忘れたこと。

今回は、生息域変化に米軍機飛行やヘリパッド建設の影響の可能性があるかというご質問でしたので、米軍以外の話はしませんでしたが、それ以外の開発行為も原因のひとつです。

ちなみに、生息地拡大の例として、名護市で営巣の記録があります。まだ例外的記録ですが、今後普通になるかもしれません。

一部の方々はこの記事を読んで、ワタシが「衝突は米軍機のせいだ」と言っているとしていますが、窓への衝突についてはワタシは専門外ですので、一切言及していません。

また、ワタシは、生息地拡大の原因の「可能性」の話をしたのであって、断言をしていませんが、ワタシが断言したとしている方もいます。

また、「こじつけ」や「根拠のないことを言うな」というコメントも多く見られますが、そのご発言の根拠を知りたいので、 「日本の科学者」2017年4月号掲載の私の論文『高江・安波で発見した希少生物と、 ヘリパッド建設が動物に与えた被害の具体例』をご覧になっていただき、ぜひ論理的にご反論・ご批判ください。

「確かにオスプレイや米軍機の可能性もあるけれど断言できない限りは問題にすべきでない」というお声も聞こえます。予防原則を適用できない日本は海外からの笑いものです。それでも笑いものになることを推進するのであれば、「推測」が「断言」に変わるころにはノグチゲラは取り返しがつかないほど数が減っているかもしれないというリスク(あなたにとってそれがリスクかどうか不明ですが、ノグチゲラにとっては生存に関わります)があることもお忘れなく。


ただし、ある批判コメントには激しく同意します。

「鳥のことは鳥の専門家に聞けよ!」 です。

琉球新報記者も同意していると思います。

が、ノグチゲラや鳥の専門家が関わろうとしないため、昆虫が専門のワタシに質問せざるをえない状況です。

そこでネトウヨやこのように批判されたみなさんにお願いです。

みなさんからも、高江・安波のノグチゲラのことはその道の専門家が発言しろと、ノグチゲラや鳥の専門家に伝えていただけないでしょうか。

インターネットで検索すれば、県内外のノグチゲラの専門家の名前は出てきます。鳥の専門家となると、もっとたくさんいます。

初めてネトウヨのみなさんと意見が一致したので、今回はぜひともネトウヨのみなさんのお力もお借りしたいです。

どうぞよろしくお願い致します。