農魂党が防衛省に提出したやんばる世界遺産の米軍廃棄物等に関する要請書に対する回答等(2022年1月13日)

アキノ隊員

2022年01月28日 02:42

2021年12月20日、農魂党の仲村之菊さん防衛省に対し、やんばる世界自然遺産登録地である2016年返還北部訓練場跡地に残る米軍廃棄物や、普天間基地での米軍によるPFAS汚染水放出について要請文を提出しました。今月13日、防衛省からその回答を受け取り、また、再要請もおこないました。

2022年1月13日。写真左が之菊さん。Midori Nakamuraのフェイスブックより。





要請書





防衛省からの回答は下記リンク先でご覧ください。

農魂党 仲村之菊ブログ
『防衛省へ要請書提出 回答と質疑・再要請』
https://note.com/nogitama/n/n719bbc10ab27

このうち、米軍廃棄物に関係する要請1,2,4に対する回答ついてこちらで言及します。

1.防衛省の回答で「北部訓練場の返還においても、平成29年の土地所有者への引渡し前に、全域を対象とした資料等調査を行い、支障除去処置の範囲や内容を確認した上で、土地所有者や関係機関に説明したのち、土壌汚染調査や廃棄物除去等を実施した。」とありますが、私がこれまで指摘してきたとおり、適切に実施されていません。また、「土地の引き渡し後も新たに廃棄物等が確認された場合においては」とありますが、新たに発見された場合のことにのみ言及しており、現時点で米軍廃棄物が残留しているということやそれを隠蔽しようとしたことを認めていません。「お尋ねの廃棄物に関しても既に処分を完了している」とありますが、TR管の入っていたペール缶やその周りを覆っていたコンクリートは先月までに撤去されているのを確認しましたが、私が発見した19個のTR管のうち16個はまだ現場に残っています。回答の時点でその16個がどこにあるかわからなかったとしても、16個について防衛省では適切に処分していないと答えるべきです。

2.1と重複するので省きます。現在、新たに当該地の米軍廃棄物に関する調査の事業の計画があります( https://akinotaiinnorinshitaiken.ti-da.net/e12133043.html )が、再度の支障除去をおこなうためのものかどうか私のほうでは現時点で不明です。メディアが取材してください。

4.「米側に原状回復の義務はない代わりに、日本側においても残された建物や工作物の米側へ補償をする義務を負わないというかたちで、双方の権利義務のバランスをとっているものです。このため、米軍から施設及び土地が返還された場合については、我が国の責任において原状回復をおこなっています。」とあります。米軍が放置していったものを日本側がどうしようと米軍に対して補償しないことをバランスがとれていると主張しています。防衛省職員も自分の言っていることがマゾすぎて心の中で泣きながら発言しているのではないでしょうか。「日米地位協定第4条1では「合衆国は、この協定の終了の際又はその前に日本国に施設及び区域を返還するに当たつて、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに日本国に補償する義務を負わない。」と規定されています。」とありますが、原状回復の義務がないイコール汚していいという協定ではないので、防衛省はそれを米軍に指摘・抗議するべきです。

次は、防衛省での対面での質疑応答の部分について触れます。

Q.(農)
要請の1への回答で、「お尋ねの廃棄物に関しても既に処分を完了している。」とのことでしたが、いつの時点で完了しているのか?昨年の12月半ばの段階で、放射性廃棄物がまだ現場にあったことを地元住人が確認しています。

A.(防)
放射性物質コバルト60を含むTR管は、沖縄防衛局が適切に処分している。お尋ねのものと、我々の方で確認しているものが同一のものかどうかは定かではありませんが、我々の方で確認して処分したというものに関しては少なくとも11月末までに処分しています。


(農)がいう「地元住人が確認している」は私が見つけて現場に残っている16個のTR管のことです。(防)がいう「我々の方で確認して処分したというものに関しては少なくとも11月末までに処分しています。」はいであ株式会社が発見して倉庫に保管したTR管や前述のペール缶、コンクリートのことです。「お尋ねのものと、我々の方で確認しているものが同一のものかどうかは定かではありませんが、」とありますが、防衛省は私が見つけたTR管のことを把握しており、それは処分していないため、わかっていながら「定かではありませんが」とごまかしたのでしょう。仮にここで、(農)が「報道されたTR管のことです」と質問していたら(防)は正直に答えたでしょうか。

米軍廃棄物に関する部分についての防衛省の回答はこれまで発表されている見解と変わりませんが、途切れることなく追及する必要があります。

再要請の内容は前に記したリンク先でご覧ください。

農魂党は今後も防衛省に要請・交渉をおこなっていくそうなので、みなさま引き続きご注目をよろしくお願いいたします。

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